Thinkpad z61mへのGPUリフロー
5ヶ月ほど前に、メインマシンとしていたz61mが突然瀕死状態となってしまった。
画面はノイズが入り、WinXPは不安定で、リブートするもメモリ変えるも変わらず。
いやBios画面ですらダメで、memtest86+を動かすと、あちこちメモリエラーが発生するようになった。
いくらメールの閲覧をAndroidタブやiPad2でやろうと、やはりメインマシンが無いと色々と苦労することこの上なく(サブマシンはx61なので、z61mからデータ抜けばまあ良いのだけど)、やっぱり大きな画面で見たいものも色々ある(何とは言わないが)。
で、9月に結局(初めての)Vaio S - SVS15を購入したのだが…その話は別スレで語っている通りで、とにかく使いづらい。もう半年近く使っているが、未だ慣れない。
そこで何か修理する手立てを考えた。
もちろんM/Bを購入すれば手っ取り早いのだが、ヤフオクではz61mなんてほとんど見る影も無い。eBayを見ると数台出ているが、マトモな本体をそのまま入手しても『修理』では無く『乗り換え』になってしまう。
更に考えると、画面ノイズはGPU、メモリエラーはノースブリッジであろう、ということで、たまに見かける『熱によるBGA半田ボールのクラック等』では無いか? と思い当たった。
よくよく考えると、z61mのファンassyの、GPUとノースブリッジに触れる部分には、何故かエラストマーのような弾力材が挟まれていた。これが熱について非効率なのではないだろうか? 廃熱がうまく行かず、そのまま各チップが熱を持って半田ボールに害があったのではないか? と考えた。
ではリフローすれば何とかなるかも…いずれにせよ既に壊れているのだし…ということで、早速ヒートガン(ホットガン)を入手する。4kくらいの、ヒーター部をアナログダイヤルで可変できるものだ。
温度計は手元に赤外線温度計があるので、これを使うことにした。
とりあえずz61mのGPUとノースブリッジ(多分)を出しておく。M/Bの取り外しまでは行わない。そこまで行うのは結構面倒だからだ。
一応アルミホイルで対象のチップ以外を囲んでおく。カプトンテープをあちこち貼り付け、なるべく他の部分にダメージが行かないようにする。
どこまで熱すれば良いのかは、ほとんどカンである。M/Bの半田を溶かしてみて、その温度をポイントとしていくらか高い温度を必要とするだろう――なぜならチップの表から熱して、裏面の半田の温度を上げないとならないからである。とは言っても、webリソース上は220度前後の例が見当たった。よしそれで行こう。
あとはヒートガンの温風にあてつつ温度を上げてゆくだけである。意外とヒートガンが重いので、持っている手がしびれてくる。
温度はゆっくりと上げてゆく。もちろん温度計で表面温度を気にしながら。
目標温度付近で温度をほぼ固定、たまに竹箸で真上からチップに圧力をかけてみる。
そんなこんなで約2分間。
そして、最後は逆にゆっくりと温度を下げてゆく。
60度付近まで下がって温度が安定したら、ヒートガンの役目は終わり(ヒートガン自体も温度を下げてからoffしなければならないので、温度が下がりきるまでチップに当てないでブロウしっぱなし)。
こんなことをGPUとノースブリッジの2箇所に行った。
お次はファンassyとチップの間の細工。これは手元の銅版を加工して、なにやら先ほどのエラストマーっぽいものを省いて何とか合わせこんだ。少し厚い分にはテンションが掛かるだけなので問題ない。
かつ、念のためファンassyとその上にのるキーボード裏面に、まず貼る一番の小片を貼り付けておく。
さて十分に冷えた後に組み立て、電源on。
をを、少なくとも画面のノイズは消えた!
memtest86+を起動.
すぐにエラーが出ない。すばらしい! そのまま一日動かしっぱなしにしておく。
動かしっぱなしで一日後、メモリエラーは無くなった。
ではせっかくなので、新しいHDDに工場出荷状態のリカバリをかけてみよう。
実はここで色気を出してしまい、リカバリじゃなくてWin8を入れてしまいましたとさ。
う~ん、とりあえず問題ないようですな! 修理完了。
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